ご機嫌斜めな恋愛事情
『あたしが先輩でエイトが後輩かぁ……もしかしたら学校で会ったりするかもしれないんだよ。そしたら、あたしに挨拶しなよ~』



『バカじゃん。挨拶なんかするかっつうの!!』



姉ちゃんと同じ中学校へ通うってことは、



これから学校で顔を合わすこともあるってこと。



そんなの……知ってる。



『ははっ…姉ちゃんが先輩とか??かなり笑えるな』



それは俺が本当は1番に意識していることだから。



『うわっ、エイトったら、失礼ねぇ~~』



姉ちゃんが小学校から卒業した時、



俺はなぜだか寂しくて、悲しくて、



家ではいつも顔を合わすのに、



学校で姉ちゃんの姿がもう見られないと思うだけで、



不安すら覚える俺がいたことを、



俺は今でも深く覚えているから。
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