しゃべるウサギのいる家はどうですか?!


「待って!」

私は手を止めた。


「先に迷子にならないように案内するわ。」



「どうも。」


そう言って織姫さんと大きいお屋敷の長い廊下を歩きながら説明してもらった。



「そして、ココが男子部屋で向かい側が女子部屋ね。」



「はい!」



とは返事したものの、実は全然覚えてない。
さっきから同じ場所をぐるぐるしてるみたい。


でも、せめて部屋だけは覚えようと思って周りをきょろきょろ見回す。

そうすると、廊下の端に花瓶が置いてあった。

(やったぁ!これで部屋は何とか覚えられるジャン!!)


思わず体が花瓶に向かって行っていた。


「わぁ。ひまわり!!可愛いなぁ~」


そんなひまわりにうっとりしていると織姫さんがやってきた。


「あら?ひまわり好きなの?」


「はい!お花の中で1番好きです!!」


お花の話に興奮して声が大きくなってしまった。

あぁ。恥ずかしい・・・

「あらそう。私もひまわり好きよ。」

織姫さんはそう言ってひまわりをながめていた。


ん?
あれ?
そういえば今春だよね?
なんでひまわりがあるんだろう。

「あの。」



「ん?なに?」


「今春なのになんでひまわりが咲いてるんですか?」


織姫さんはあぁ!と手をたたいた。


「今までもうなじんじゃって忘れてたけどここには温室があるの。」


「温室あるんですかぁ!!」



「えぇ。」



「わぁー!!すごい!あとで見に行ってイイですか?」


「どうぞ。」








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