ウラコイ


じゃり じゃり



下駄が 嫌な音を立てる




この旅館は高台にあって

下手に庭を
散策すると落ちる





「佐藤君……、どいて」



私は向こうに行きたいのに




「俺は、槌谷の事っ…」


がっと 肩を掴まれた


佐藤君の目が



今までより真剣で



動揺する。







「神田なんか、やめとけよ」




なんかて 何で言うの



何も知らないくせに






私の事だって






知らないくせに
< 269 / 631 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop