ウラコイ
離れる糸
翔太君は器用に
ギアを動かしながら
地下からのぼっていく
「どこ行くの、海?夜景?…橋かなぁ……、」
「言わないよ…。楽しみなくなっちゃうんじゃん」
町の夜景が だんだん見えてきた
ホテルの入口に出る
リリリー
「あぁ俺のだ。みちるさん読んで」
携帯を渡してくれた
<Re:甲斐田サトシ
兄貴を入口でとめてる。車を入口から離れた所に止めて、お前が逃げる所見せろ>
「ばか甲斐田め…。」
ニヤリと笑った
翔太君もまんざらではない。
周ちゃん に見せなきゃ…
信じてくれないから……
ホテル入口近くに 車を
停めるためハンドルを切った