ウラコイ
私達は 走って車に乗った
〈甲斐田目線〉
俺は神田兄の腕を離した
「…お疲れでした。」
神田兄は動かなかった。
まぁ 女にフラれたからな…
こんな時に 他人が
声を掛けても慰めにはならない
同情されるのはいらない
「周、」
「…弥生さん。」
女性の声がした
「……仕方ない子達ね、翔太もあの子も…」
「…あの人が生き返って来たかと思った…でも、結局は行ってしまうんだわ……」
弥生さんは 神田がいた
方をジッと見ていた