ウラコイ
「……神田…君、」
「うん。……」
目をそらさずに
見ていてくれた……。
言葉が出ない…
「みちる、もう行かないと……」
「はい……。」
今は思い出せない。
「ちゃんと返しに帰ってきてよ。高ぇんだから、ソレ…」
別れの挨拶みたいに
神田君は言った
「…ありがとう。来てくれて…、ちゃんと帰って来ます。」
何も言わず
手を振っていた。
搭乗手続きを終え
飛行機に乗った
「……寂しいかい」
「…いえ、」
早く記憶を思い出したい…
気持ちが一層高まった。
思い出したら…。
一番に彼に会いたい。