ウラコイ
「相当我が儘言わせてもらいました。母親に交換条件呑んでもらって…」
「何よ、交換条件って?」
企画書に目を落として 神田君は呟いた
「秘密です。でも悪い話じゃありません」
悪い話じゃない?
「町谷サンにも頼んでもいいですか?」
「何よ…」
私は動揺したのを
悟られないよう 言った
「ケビン・フッドマンの電話番号教えて下さい…。話があるので、」
にっこり 笑った顔は
怖いくらい 落ち着いてた
怒ってるようにも 見えた