ウラコイ
「じゃあ私はまた電話するよ。」
ケビンさんは 二階に戻った
私は デジカメのメニューを押した。
何か写真があれば、
ピッ ピッ
「あっ………、」
神田…君が写った
データが次々出てきた
顔を両手で覆ったり
少し照れたりしてるように見えた
「いつこんなの……、」
日付は1月の終わり。
背景は 私の部屋だ
「………嘘だ、」
家にまで彼はきていた
データの彼は
ずっと笑っているから
胸が痛くなる。
「……一枚も私の写真ない…」
彼一人の写真しかない。
夢中で私は彼だけ
しか写してなかった