ウラコイ


メアリーさんは 微笑み
ながら聞いてくる




「……」



「大丈夫。記憶が戻らなくてもミチルはミチルよ?…彼も気にしないわよ」





優しい声でメアリーさんは言ってくれた






―早く帰ってきてよ?





「……あたし、…不安なんです。もし記憶が戻らなかったら…」






日本にも帰れない
ここにもいれない。




「……不安になるのも無理よね。でも、大丈夫きっと元に戻るわ、いまはフタがしてあるのよ」




フタ?


「記憶のフタ。フタが今は開かないだけで、中身は貴女の中にあるの、いつ開くかは分からないけど…」



「そうです……か?中身はある、」






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