ウラコイ
「新しい空港は、ちょっと遠くてね…。」
何故か申し訳なさそうにケビンさんは言った
車はとても暖かい
眠ってしまいそうだった
「……仕方ないです、本物の空港は朝から人がいますから…」
そうだね と
ケビンさんは笑った…
ラジオからは
知らない曲が流れる
「…眠らないのかい?」
「……何か興奮して目が覚めちゃって…」
ケビンさんは
少し嬉しそうだった
「…カメラマンの性だね。頭では忘れても体はカメラを覚えてる」
ワイパーはゆっくり
左右に動いている…
カメラマンの性…か
「……みちる、私も撮影を見てもいいかい?」