ウラコイ
意味深な笑顔を
翔太君は浮かべてる。
「よーし、じゃあ神田君、槌谷いくぞ。気張れよ……、よ―い…スタート!」
気張れよ?
茅ヶ崎さんの言葉を
考える暇もなかった
体がフワッと持ち上がった
「ひぃや………、しょ、神田君重いから……」
お姫様だっこ
…みたいになってる。
「…重くない、重くない。…」
ユサユサと抱えられ
ながら、歩き出した
「ちょ、ちょ………茅ヶ崎さぁん!」
な 何なの?
だっこされて
翔太君は
知ってるみたいだけど……
「……よし、みちるさん顔上見て」
「上って……天井しかないじゃ…」
空港の天井はガラス
張りで 空が見える