彼は彼女にしか笑わない[短編]
「未來!!」
玲矢くんに名前を呼ばれて振り返った。

「何?」
私が返事をするとゆっくりと口をひらいた。

「今日ごめんな、あとさちゃんと笑って?」
きっと私はキョトンという感じの顔をしていたんだろう。

「お前無理して笑ってる、
俺がこんなこと言えるたちばぢゃないけど..わらって。」

心配してくれてたんだ。
「うん!」

私は精一杯の笑顔を向けた。

「あと..俺の名前、玲矢ね」
「え?」

「玲矢くんぢゃない、玲矢」

「玲矢!!」
「うん、ぢゃあね」

玲矢く..玲矢はけして笑わなかったけど玲矢の優しさは感じた。

◆◇◆◇◆◇◆

「それで呼び捨てやったんやぁ~」
「まあね~」

「てかそんなんでため息ついてたの?!!」
「え?!は?..あの?那穂?」

「それは喜ぶことでしょ!!??」
「てかなんであれキスできて呼び捨てにできたわけやしね~?」
何?この2人?

いつにもなく那穂は興奮して喋ってた。

そして私もいつしかため息をついたことさえ忘れてた。

それに玲矢と少し距離が縮まった気がした。
< 7 / 18 >

この作品をシェア

pagetop