王子嫌いなお姫サマ☆
秘密の代償-雫Side-
『好きだ。大好きだ。』
そんな言葉なんて、一生聞けないと思っていた
現実だとは思えなかった
でも……触れるだけの優しいキス。
それがあたしに現実だと、教えてくれた
直に感じる、藤宮の体温
好き………
本当に好き………
止まらない涙。
唇を離して『泣きすぎだろ。』
そう言って笑った藤宮
「だって…だって……」
自分でもなんて伝えたらいいか分からない、この感情
「あたしなんか、絶対藤宮に好きになってもらえないと思ってたから……」
「なんで?」
ベッドに座って、同じ高さであたしの目を覗く藤宮
そんな行動にドキッとする
「藤宮はあんなにモテてカッコいいのに、あたしは地味で特に取り柄も無い奴だから……」
そう……そんな人と釣り合わないって思ったから