王子嫌いなお姫サマ☆


ただ、その様子が現実感のないもので目を見開くことしか出来ない……


頭が真っ白になってしまう



「………え…お兄…ちゃん?…っ!……お兄ちゃん!!」


必死に揺らすのに、その目は開かなくて、指さえピクリともしない



ダランと落ちたお兄ちゃんの手首から、まだ今だに流れ落ちる血



ただパニックになり、その手首を握った


震える手のまま急いで携帯をとり、119番した



『落ち着いてください』


という相手の声を聞いても手の震えはとまらず、それから救急車が来るまでどうしてたか、記憶がない




ただ覚えているのは、いつも側に居てくれてるお兄ちゃんが真っ青になっていくことだけだった



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