王子嫌いなお姫サマ☆

お兄ちゃんの想い-雫Side-



「あっ、お兄ちゃん。目、覚めた?」



お兄ちゃんが昨日あんなことになって心配だから今日は学校を休んだ


静かな病室



優しく吹き込む風


心地いい日だ。


「なぁ、雫。」



「ん?何?」



花瓶の花を飾りながら、耳を傾ける



「……なんで、死なせてくれなかった」



……え



「俺、もう無理だ…。」



これは……誰?



いつもの、自信たっぷりのお兄ちゃんじゃない。



「頼むから、もう限界だ……。」



頼む……?


限界……?


何……それ……


また……また死のうとするの!?


「ねぇ!どうしちゃったの!お兄ちゃんはそんな弱い人じゃなかったでしょ!?」



こんなのお兄ちゃんじゃない!



あたしの知ってるお兄ちゃんなんかじゃないっ!



< 226 / 334 >

この作品をシェア

pagetop