王子嫌いなお姫サマ☆


「……お兄ちゃん」


何も言わず、あたしを抱きしめる



「………」


「………」


静かな空間があたしたちを包みこむ


「……懐かしいな。ここ」


「……え」


あたしは無意識のうちに、小さい頃からよく遊びに行っていた公園へと足を運んでいた


「…お前さ。走るなって言うのに全く言うこと聞かなくて……転んで泣くわ、ケガするわで大変だったんだ……」



「………」



「でもその時、思ったんだよ。お前には俺がいないといけないって……」



お兄ちゃん……



「でも違った。雫に俺が必要だったんじゃなくて、俺に雫が必要だったんだ。」



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