王子嫌いなお姫サマ☆


声が震える


……げ、幻覚?



……ギュッ



「……っ。」


温かい体温に包まれる



優しく力強いその腕


懐かしい温度


「……はぁ―…はぁ―……」


走って来たのか、荒い息が耳の元で聴こえる



「……龍」


こんなに必死で来てくれるなんて



「……行くな」


「……え」


「行くなよ、雫。…俺のそばにいろ。」



………龍……


視界が滲む



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