王子嫌いなお姫サマ☆
電話先でそう言って話しを聞いてくれる美結
『でも雫も嫌いなんでしょ?だったら別にいいんじゃない♪』
嫌い……
そっか。あたし、藤宮のこと嫌いなんだよね……
「で、でも、そんな悪い奴じゃなさそうだし…」
実際に話してみたら優しかったし……
『あははッ』
携帯から聞こえてくる美結の笑い声
『そんなに焦んなくても』
「べ、別に焦ってなんか…!!」
そうだよ……焦ってなんかない!
「雫。そろそろ気づきなよ。」
気づく……?
だから何に?
『逃げてちゃダメだよ。』
「に!逃げてるって何に!?」
『そっからは自分で考えなよ。ただ、雫は王子のことどう思ってるの?』
「どうって。だから……」
嫌い…?好き……?
あれ?なんであたし迷ってるの……?