咳払いのあとで
「ふ〜ん。それは後で聞くとして……。あたしは今日一日例の事件について考えたよ。ワトソン君」



ふっ。と、奈津子はピンでとめておでこ全開なのに、かきあげるフリをする。
絶対ロクな結論じゃないが、ノッてみる。



「ほう。聞こうじゃないか。でこっぱち」


「ホームズッ!!」



敢えて触れず
「はいはい。で、結論は?」


「ふっふっふっ。再現してあげるから、目を瞑ってみな」


「………」


「ほらっ。早くっ!」


「…………」


………再現?



……何を言いだす?



あんぐり開いた口を奈津子の手で閉められた。
はっとなる。



「な、なんで、奈津子にチューされなきゃいけないの!?」



本当にロクな結論じゃなかった…。



「いいからっ!!安心して任せてっ!」


「任せれるかーっ!」


「あーっ!もうっ!」



奈津子が力ずくで私を引き寄せる。



咄嗟に目をぎゅって瞑った。

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