咳払いのあとで

「…………」


「ねっ!?」


奈津子は必死にそう思いこまそうとしてくる。



嫌いだったら触れない…?


嫌われては……ない?



「そっか…。そうだよね」


「そう、そう!」



ぶんぶん頭を縦にふる奈津子。



うじうじ凹んでもしょうがない。



こっちだって好きって気持ち伝えたわけじゃないし。



からかわれたと思った方がこれからの水曜日も意識しなくてすむ。



よしっ!気にしない!



「ところで、成績の事って?」



忘れるところでした。



さっきの凹みがなかったかのように、ニコニコして奈津子に成績表を見せる。



「K大、B判定だった!!」


「おお〜、すごーっ!」


パチパチと素直に拍手をくれる奈津子に「奈津子はどうだった?」と尋ねる。



「あたしは、就職組だからねー。一応大学名は書くけど、あんまり興味なーい」



と、言いつつ見せてもらうと3校ともA判定。しかもトップクラス級の大学ばかり。
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