咳払いのあとで

携帯を開いたまま、座り込む。



うわー。ヤな奴だ、私。



先生は何も悪くないのに。



完全にヤキモチだ。



当たり前だけど、先生には私の知らない生活があって、たくさん友達もいて……



…恋人もできちゃってるかもしれない。



出会った時はフリーだったけど…。



今の人…かも。



自分がこんなに嫉妬深い人間だとは思わなかった。



私だって良く話す男の子達ぐらいいる。
そう。自分に置き換えれば理解はできる。
頭では分かるけど……。



わざと座卓にガンッて頭をぶつける。



〜♪〜♪



まだ握ったままの携帯がまた震えた。
メールだ。



『忙しい時に悪かった』



先生……。



あぁあっ!
違うんですっ、先生!!
私が、気持ちを伝えてもないくせに、勝手にひとりでうがーってなってしまったんです!
私がごめんなさい、なんです!



メール画面に向かって謝っても、一方的にブチ切りしたのは事実。



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