咳払いのあとで


「どんな人!?私が知ってる人!?いつからっ!?なんで!?」



なんだかすごく興奮して、ランチョンマットにきれいに並べられた朝ご飯に見向きもしないで、お姉ちゃんに質問攻め。



「優しい人!アオは知らない人!一年くらい前から!『なんで!?』の意味がわからん!!」


「私もなんで『なんで!?』って聞いたのかわからん!」



ぎゃあぎゃあ言ってると、ニコニコしながらお父さんが起きてきた。



「おはよう。朝からにぎやかだな。楽しい我が家だ」


訳わからん。



「お父さん!!お姉ちゃんに彼氏がいたーっ!」


「わざわざ報告すなーっ!」


私たちのやりとりを横目に見ながら、お父さんはニコニコ顔のまま席に座り



「そうかそうか。お母さん、朝刊」


「今日は休みよ、お父さん」


お父さんと私用にお味噌汁を温め直していたお母さんが優しく答える。



「そうかそうか。今日は日曜か。…………え゛ーーーっ!?お姉ちゃんに彼氏がーーっ!?」


「「遅いっ!!」」


娘二人でツッこむ。


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