咳払いのあとで
まだ残ってるご飯をガーッと掻き込んで、「ごちそうさまっ!」と食器を重ねる。



「アオ」



立ち上がって、シンクに食器を持って行こうとしたとき、お母さんに呼び止められた。



「今日は一日家にいるの?」


「え?お昼から奈津子達とカラオケ行くけど」


「じゃ、夜には帰ってるわね?」


「うん。たぶん」



「そう」と言うと、私の食器を受け取って、シンクに運んでくれた。



「さぁて、そろそろ準備し〜よお。アオ、私の片付けよろしくね〜」



通り過ぎる時に、ツンッと私のおでこをついて、お姉ちゃんがリビングから出ていった。



「???」



めずらしいスキンシップ……。



ま、いいか。



「アオ。雅の分の片付け、お母さんやっとくわ」


「ホント?わーい♪ありがとう!」



出かける前に、課題終わらせちゃおう!



最後の課題に、なるかもしれないけど……。



どうもあれから思考がマイナスに行きがちだ。



ほっぺたペチペチ叩きながら、部屋に戻った。
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