咳払いのあとで
換気のため、窓を開けると、雲がどんよりしてて今にも雨が降りだしそう。
遠くに見える青空ももうすぐグレーの雲に隠されそうだった。
私の今の気分に重なる。
なんとかグレー一色になるのを空元気で必死に押さえてるみたいだ。
風は気持ちいいので、降りだすまでは窓を開けておこう。
先生が山積みに置いていった課題も、あと少し。
《課題は必ず終わらせる》
お姉ちゃんに連れて来られた先生に一目惚れしてから、私の中で決めたこと。
褒められたくて。
笑顔が見たくて。
頭、よしよししてほしくて。
ぎゅってしてほしくて。
……………。
すいません。最後のは、妄想です。
苦手だった数学。
絶対に答えが出るおもしろさが先生のおかげで少しずつ好きになった。
得意な現国。
先生が忘れてる漢字が出てきて私が知ってて、逆に私が教える事があった。
あの時の先生の笑顔まじりの悔しそうな顔、かわいかったな。