咳払いのあとで


先生は…



呑む量はお父さんのペースに合わせてるみたいだけど、顔には一切出てない。



「秋月〜。おまえ今日は呑むペース遅いじゃないか〜」



と梶村さんに肩を組まれてる。



「秋月くん。普段はもっと…?ウチにもまだまだあるから遠慮せずにね」



お母さんがビールを勧める。



「ありがとうございます」



と、姿勢を正し素直にコップを出す。



「こいつ、僕より凄いんですよ!」


「そんなことないですよ」



自分の事のように自慢する梶村さんと、それに謙遜する先生。



「強いでいくと、みやちゃんは強いです。お父さんに似られたんですね♪」



「ああ、渡辺には勝てないな」



この2人より強いって……お姉ちゃん……。



確かにお姉ちゃんの後ろに置いてあるビールの空き缶は2人より多い…。



「あんた達が弱すぎるのよ」



男前です。お姉ちゃん…。


でも、お母さんに「こら。女の子が」て軽く怒られてる。



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