咳払いのあとで
「いえ。全て碧さんの実力ですよ。僕が教えてもらう事もありますし…」
私にむかって笑う。
あ、漢字の事、覚えてたんだ。
へへ〜っと笑い返す。
「アオ、成績表取ってきたら?」
全然酔ってるようには見えないお姉ちゃんが促す。
「えー、ホントに今ぁ?」
「な〜に嫌がってるのよ。昔は自慢したい事があったら『見て見て〜』って、うるさいくらいだったのにー」
「それ、いくつの時の話…?」
「幼稚園?」
「覚えてないわっ!」
まぁ、いいや。と、部屋に取りに戻るために立ち上がる。
「あ、俺も一緒に行く」
と、先生もテーブルに手をついて立とうとする。
えぇえっ!?
「いやっ、先生はゆっくり呑んでてください!すぐ取ってきますからっ!」
慌てて止める。
部屋、鏡とか出しっぱなしだしっ!
「ついでに勉強みてもらったらどうだ?今日はタダだろ?秋月くん」
はっはっはっと笑いながら、お父さんがおもしろくない冗談を言う。
結局先生と一緒に和室を出た。