咳払いのあとで
二人で和室に戻ると、ショックな事が…。
お父さんがチェーサーだとか言って、アップルジュースを飲んでいた。
ぎゃーっ!
せっかく先生が買ってきてくれたのにーっ!
「お父さん!私のアップルッ!」
「お?おまえ、そんなにアップル好きだったか?まあまあ、また買ってきてやるから、そんなに怒るなよ」
ケラケラとお父さんは楽しそうに笑う。
お父さんが買ってきたって、意味ないのよーっ!
……とまでは、可哀想で言えなかった。
なんか、前途多難な気がしてきた…。
「ささ。では、飲み直しましょうか!」
梶村さんが、私が今にもお父さんに噛み付きそうなのを見て、間に入ってきた。
先生はクスクス笑ってる。
目が合った。
「また、買ってくるよ」
って、笑って言ってくれた。
結局、夜11時くらいまで騒いで、先生と梶村さんは帰って行った。
あとで先生から『いい家族だな』ってメールがきた。
嬉しかった。