咳払いのあとで


『と、言った』…ぢゃなーーいっ!!



な、なん、なんと!?



今、なんとっ!?



【俺も、好きだよ】



好きだよ……?



ほげっ!?



これ以上、開かないぐらい、目を見開いて先生を凝視。



「目の玉、落ちそう」



先生は笑いながら、手で受けるマネをする。



我に返る。



「先生っ、あのっ!お姉ちゃんの妹だから気を遣って…とかじゃ…?」


「ないよ」



あわあわしてる私に、先生はキッパリと答える。



「それでわ、ショックを受けさせて勉強が手に付かなくさせないように、今だけ合わせてくださってるとか!?」


「ぶっ!深読みしすぎ!」



先生が吹き出した。



「あははっ!ちゃんと前から気になってたよ」



えぇえぇーーーっ!!



「いやっ!でもっ!ほらっ!先生、おモテになるだろうし、こんなひよっ子…」



もう何を口走ってるか、わからない。



ただ目の前で「ひ、ひよっ子っ」と爆笑されている。


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