咳払いのあとで


「…アレって?」


「先週の…終わり際の…」


と、真っ赤になって言ったトコロで、後は指で自分の頬っぺたを指した。



「あぁ〜。アレね…」



先生は、また空を見た。



そして、ぶっと笑う。



「っていうか、指って何?」



笑いながら聞いてくる。



私は奈津子にされた事を説明した。



「すげー推理力だな。その友達…」



先生はクックックッと笑いを堪えてる。



じゃあ…



やっぱり?



先生は指を折って自分の頬で試してる。



「自分じゃわからんな」



そう言うと、私の頬に自分の指をくっつけた。



また体が緊張する。



あ…、前の方が柔らかかった…。



「先週のはどっちか分かった?」



頬っぺを触られながら、聞かれる。



「わかりましー…」



最後まで言う前に、先生の指の動きがつねりに変わる。



「おお。ぷにぷに」



先生は、ニカッと子どもみたいに笑う。



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