咳払いのあとで
「さ、祝杯だ♪」
お姉ちゃんはルンルン台所へ向かい、冷蔵庫から缶ビールを出した。
「雅。あなた昨日も呑んで帰ってきたでしょ!?」
お母さんにペチッと頭をはたかれてる。
「昨日は課題の提出が終わった《お疲れ、私達!呑み会》。今日は《可愛い妹に春が来た!祝杯》♪理由がないと呑みませーん」
お姉ちゃんは、意味の分からない言い訳をする。
「誰に似たのかしら?ねえ、お父さん?」
お母さんはわざとらしく、お父さんを見た。
聞こえてないのか「俺にも一杯…」と、お姉ちゃんにグラスを出す。
「もうっ」と言いながらも、お母さんはキムチを器に盛り付けてる。
「しかし、一気に娘二人に相手ができるとは…嬉しいような…寂しいような…」
「まあ、まだまだ嫁に行くわけじゃないんだから」
素直な気持ちを言うお父さんに、お姉ちゃんが明るく返す。
お風呂に入るため、私は台所をあとにした。
今日は眠れそうにないぞーっ!!