月と太陽の事件簿11/愛はどうだ
誰かに似た女(ひと)
「あの…」
呼び掛けられ、達郎が視線を移すと、1人の女性が立っていた。
服装は白のツーピース。
同色のコートを羽織り、黒のストッキングに低いヒール。
手にしていた水色のファイルケースが不似合いといえば不似合いだった。
「月見達郎さんですよね?」
達郎はうなずいた。
「私、国文科4年の葉野亜季と言います」
4年なら達郎の先輩になるが、達郎には4年の海外留学期間がある。
彼女が現役であれば達郎の方が年上だ。
敬語を使っているところを見ると、彼女はそのへんの事情を知っているらしい。
「あの、今よろしいでしょうか?」
「かまいません。こちらの用事はもう済みましたから」
「できればここではないところでお話ししたいのですが」
亜季は木村を気にしながら、R大学近くのコーヒーショップの名前を口にした。
「では私、先に行っていますので」
亜季は一礼し、喫茶室から出ていった。
呼び掛けられ、達郎が視線を移すと、1人の女性が立っていた。
服装は白のツーピース。
同色のコートを羽織り、黒のストッキングに低いヒール。
手にしていた水色のファイルケースが不似合いといえば不似合いだった。
「月見達郎さんですよね?」
達郎はうなずいた。
「私、国文科4年の葉野亜季と言います」
4年なら達郎の先輩になるが、達郎には4年の海外留学期間がある。
彼女が現役であれば達郎の方が年上だ。
敬語を使っているところを見ると、彼女はそのへんの事情を知っているらしい。
「あの、今よろしいでしょうか?」
「かまいません。こちらの用事はもう済みましたから」
「できればここではないところでお話ししたいのですが」
亜季は木村を気にしながら、R大学近くのコーヒーショップの名前を口にした。
「では私、先に行っていますので」
亜季は一礼し、喫茶室から出ていった。