月と太陽の事件簿11/愛はどうだ
「緒方先生が単位を与える代わりに、彼女に見返りを求めただとか、彼女の方から先生を誘って、便宜をはかってもらったりだとか…」
ろくな噂ではない。
「木村さん自身に心あたりはないんですか」
「心あたり?」
「彼女に対して、木村さんが…ということです」
木村はしばらくキョトンとしていたが、やがてみるみるうちに顔を赤くした。
「な、なにを言っているんだね月見くん!」
今回は右の眉はそれほど上がってはいなかった。
しかしもう、達郎はそのことに関心はなかった。
「失礼します」
達郎は立ち上がって、喫茶室を後にした。
ろくな噂ではない。
「木村さん自身に心あたりはないんですか」
「心あたり?」
「彼女に対して、木村さんが…ということです」
木村はしばらくキョトンとしていたが、やがてみるみるうちに顔を赤くした。
「な、なにを言っているんだね月見くん!」
今回は右の眉はそれほど上がってはいなかった。
しかしもう、達郎はそのことに関心はなかった。
「失礼します」
達郎は立ち上がって、喫茶室を後にした。