月と太陽の事件簿11/愛はどうだ
露とこたえて
大学に戻ったのは夕方五時すぎ。
構内は普段より静かだった。
考えてもみればR大学は今日から冬休みに入るわけで、それにクリスマスが重なるとあっては、構内が空き家のようになっているのは当然の話だった。
達郎が教務課に向かうと、そこにはまだ木村が残っていた。
「やぁ月見くん」
カウンター越しに木村が声をかけてきた。
「葉野さんと何を話してきたんだい?」
「言えません」
達郎はにべもなく、きっぱりと言った。
「つれないなぁ」
「緒方先生はいらっしゃいますか」
「先生ならまだ研究室にいるはずだよ」
木村は眉をひそめた。
「まさか月見くん、緒方先生に葉野の話をするつもりかい?」
「いけませんか」
「さっきも言ったが葉野亜季は緒方先生の…」
「お気に入りだからなんだと言うんですか」
達郎は少しむきになって言い返した。
「緒方先生と葉野さんの関係は教授とその教え子でしょうが」
構内は普段より静かだった。
考えてもみればR大学は今日から冬休みに入るわけで、それにクリスマスが重なるとあっては、構内が空き家のようになっているのは当然の話だった。
達郎が教務課に向かうと、そこにはまだ木村が残っていた。
「やぁ月見くん」
カウンター越しに木村が声をかけてきた。
「葉野さんと何を話してきたんだい?」
「言えません」
達郎はにべもなく、きっぱりと言った。
「つれないなぁ」
「緒方先生はいらっしゃいますか」
「先生ならまだ研究室にいるはずだよ」
木村は眉をひそめた。
「まさか月見くん、緒方先生に葉野の話をするつもりかい?」
「いけませんか」
「さっきも言ったが葉野亜季は緒方先生の…」
「お気に入りだからなんだと言うんですか」
達郎は少しむきになって言い返した。
「緒方先生と葉野さんの関係は教授とその教え子でしょうが」