月と太陽の事件簿11/愛はどうだ
その男、探偵につき
紙袋を提げて戻ってきた亜季は、歩いてくる達郎の姿を見とめた。
「ちょうど良かったみたいですね」
達郎は亜季の前まで来ると足をとめた。
その手には缶コーヒーを握り締めていた。
缶コーヒーは開いてはいなかった。
「手紙の差出人がわかりました」
達郎は貼り付けたような無表情で言った。
「そう、ですか」
亜季は達郎の言葉と表情に戸惑うような仕草を見せた。
心なしか笑顔も引きつったように見えた。
「あの、部屋に上がりませんか?もうすぐ友人たちが来ますけど」
「いやここで結構です」
「ではせめて中へ。外は寒いですから」
そう促され、達郎は亜季の後についてマンションへ入った。
マンションの玄関は高級ホテルのホールを思わせる造りになっていた。
ホールの左側には欧風のソファとテーブルが4組置かれており、達郎と亜季はそのうちのひとつに向かい合って座った。
「ちょうど良かったみたいですね」
達郎は亜季の前まで来ると足をとめた。
その手には缶コーヒーを握り締めていた。
缶コーヒーは開いてはいなかった。
「手紙の差出人がわかりました」
達郎は貼り付けたような無表情で言った。
「そう、ですか」
亜季は達郎の言葉と表情に戸惑うような仕草を見せた。
心なしか笑顔も引きつったように見えた。
「あの、部屋に上がりませんか?もうすぐ友人たちが来ますけど」
「いやここで結構です」
「ではせめて中へ。外は寒いですから」
そう促され、達郎は亜季の後についてマンションへ入った。
マンションの玄関は高級ホテルのホールを思わせる造りになっていた。
ホールの左側には欧風のソファとテーブルが4組置かれており、達郎と亜季はそのうちのひとつに向かい合って座った。