月と太陽の事件簿11/愛はどうだ
『もしもし達郎?』

「どうしたレミ」

『どうしたじゃないわよ。あんた今どこにいるの?』

「なんだ事件か?」

『違うわよ』

「じゃあなんだ」

『あんた、早く帰って来なさい』

麗美の言葉は突然で、達郎は戸惑った。

「帰ってこいってどこへ?」

『家に決まってるでしょ!』

「レミの家?」

『なんであんたがあたしん家に来るのよ!家って言ったらあんたの家でしょうに!』

「誰が決めたんだよそんなこと…」

達郎の言い分はもっともだった。

『あーもういいからさっさと帰って来なさい!これからクリスマスパーティーやるんだから!』

「クリスマスパーティーって、オレの家で?」

『あんたクリスマス祝ったことロクに無いでしょ。今日たまたま非番になったもんで用意しといたのよ』

「用意しといたって…」

『いいから早く帰って来なさい。お婆ちゃんも待ってるわよ。カホも彼氏連れて来るってさ』

「…」

『どうしたの、達郎』

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