ふたつの雪だるま
秘密?

誰に?


「しぃ、食わねぇの?」


「え?……あぁ、食べる。いただきます。」


小さなテーブルにおかれたモンブラン。

美味しいの貰ったからおいで、って、まぁくんちのおばさんが窓から誘ってくれた。


「わ………美味し。まぁくんも食べる?」


「いらね。」


「そ?めっちゃ美味しいよ。」


ケーキ大好きな私。

一番幸せな時間。


「ほんと美味そうに食うよな。」


「うん。美味しいもん。」


ベッドに寝転がったまま、顔だけこちらを向けてみているまぁくん。


「なぁ、やっぱ、一口ちょうだい?」


ベッドから下り、小さなテーブルをはさんで座った。


フォークには、最後の一口。



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