ふたつの雪だるま
「これ、最後だけど?ん?」


フォークを差し出す。


「良いの?」


「ん。美味しかったよ。まぁくんにも幸せ分けたげる。」


はい、と差し出したフォークにパクリと食い付いたまぁくん。


「あま……」


一瞬、眉を潜めたかと思うと、まぁくんの手がすっと伸びた。


「え……………」


伸びた手によって引き寄せられた私の頭。

あっというまに触れた甘い温もりは、やっぱりあっというまに離れた。


「やっぱ、しぃの方が美味い。ご馳走さん。」


何がなんだか分からずに、まぁくんをじっと見つめていた。

だって………まぁくん、好きな人いるって…。


「しぃ?どした?」


頭を撫でながら私を覗き込む。



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