ふたつの雪だるま
「しぃの好きな人、当ててやろうか?」


「…………うん。」


まぁくんは、にっこり笑って答えた。


「俺。」


途端に胸が熱くなった。

涙がいっぱい出てきそうになって、ぐっと目に力を入れた。


「当たっただろ?」


そう言いながら、小さなテーブルを横にずらし、胸に引き寄せられた。


「ずっと黙ってんの辛かったんだぜ?」


背中をゆっくり撫でながら、私の心を解きほぐしていく。


「俺、しぃ以外の女、好きになったこと無いんだぜ。すげぇだろ?」


耳元で優しく囁かれ、つい、目に入れてた力を抜いてしまった。

ポロポロとこぼれ始めた涙が、まぁくんのTシャツを濡らす。

我慢していた想いが、どんどんあふれ始めた。



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