七夕に降る雨
茉莉の誕生日は七夕。
付き合い始めてから一度も一緒に祝った事がない。
何にも言わないから、別に気にしてないんだと思っていた。
「炭酸たっぷりです。」
「あ?何入れた?」
「聞きたい?」
妖しい色になっている飲み物を前に、悪戯っこみたいに楽しそうに笑った。
「海行きたいね〜。」
「海?ぜってぇ行かね。ただでさえ暑いのに、わざわざ暑い場所行くなんて馬鹿だよ、馬鹿。」
「ほんとだねぇ。」
アイスコーヒーを飲みながら笑う。
去年の夏の事。
結局、誕生日の話しはそれきり。
七夕だと思い出した時にはもう、お盆もすぎ、秋がそこまでやってきていた。
付き合い始めてから一度も一緒に祝った事がない。
何にも言わないから、別に気にしてないんだと思っていた。
「炭酸たっぷりです。」
「あ?何入れた?」
「聞きたい?」
妖しい色になっている飲み物を前に、悪戯っこみたいに楽しそうに笑った。
「海行きたいね〜。」
「海?ぜってぇ行かね。ただでさえ暑いのに、わざわざ暑い場所行くなんて馬鹿だよ、馬鹿。」
「ほんとだねぇ。」
アイスコーヒーを飲みながら笑う。
去年の夏の事。
結局、誕生日の話しはそれきり。
七夕だと思い出した時にはもう、お盆もすぎ、秋がそこまでやってきていた。