甘恋~アマコイ~
動揺を隠し切れないあたしに美沙はフッと笑った。

「鈍感なんだね?比奈ちゃんって♪」
「えっ?美沙?……」

それだけ言うと、美沙は先に席に帰っていった。

置き去りにされたあたし。

トオルくんのこと、好きなのかな?
確かに、他の男の子よりイイと思う。
トオルくんと話しているとタカを忘れられてると思う。

でも……。
トオルくんは出会ってまだ3日のあたしなんて、ただの友達としか思ってないよね。
息苦しいこの感じ……。
なんなんだろう。

タカの時には経験したことのない、変な感情に包まれ、あたしは気分が落ち込んだ。




「遅かったな?」

席に帰るとトオルくんが言った。
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