甘恋~アマコイ~
家までもう少し。
話すこともなく、黙々と歩き続けるあたし達。

何か話さなきゃ。
えーとえーと……。

『あのっ!』

同時に声を出してしまった。

「あ、ごめん、先言って?」
「え、でも比奈から……」
「いいよ!トオルから……」
「じゃあー……はい」
「え……?」

そう言って首元に回ったトオル。
冷たい感触が首を伝った瞬間、キラッと輝くネックレスがあたしの首にあった。

「何これっ?えっ?」

そのネックレスは最初に行ったジュエリー店であたしがつい見とれてしまったネックレスだった。

「今日のお礼♪ホントありがと!感謝してる」
「うっうん……」
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