甘恋~アマコイ~
「何よその目は」

梨佳はあたしを見下ろす。
あたしのあごをクイッと人差し指であげ、顔を近づけてきた。

「あんたみたいなの、トオルが相手にするわけないでしょ?」

梨佳はそれだけ言ってフッと笑った。
そして後ろにさがる。

その瞬間、後ろにいた女の子があたしにかかってきた。

「やっ!!やめて!!」

あたしは叫んだ。
しかし、そんな言葉は聞こえるはずもなく、そいつらはあたしを殴ったり蹴ったりした。




――どれくらい続いていただろうか。
ふと目を開けると、誰もいなかった。
髪は乱れ、制服はボロボロで、お腹に激痛が走る。
手や足からは血が流れ、靴は片一方がなくなっていた。
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