甘恋~アマコイ~
「それに、アンタ1人だけ、トオルくんに近づくなんて、馬鹿じゃないの?」
「えっ……」

あたしがトオルに近づいたのがいけなかったの?

「アンタさぁ、トオルのこと好きになったんじゃないでしょうね?無理よ!無理無理!あの梨佳でも2ヵ月半しか続かなかったんだから!あははは!!」

美沙は喫茶店内にいるお客さんのことなど気にせずに高らかに笑う。

「あたし!そんなこと思ってないよ!?あたしとトオルはただ、いい友達で……」
「いい友達?それ以上の関係には絶対ならないって言えるの!?」
「っ!……それは、……」

図星だった。
実際、トオルへのこの気持ちに気づいてしまったあたし。
美沙の言うことは良く分かる。
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