相思相愛記念日
「ありがと。」


お礼を言いながら、なんだか笑ってしまう。


「良かった。」


紗季が笑う。


「うん。良かった。」


私も笑う。


「何が良かったって?」


いつの間にか隣にいる大和が笑って言う。


「なんだろね?」


「はあ?ま、いっか。空良、カラオケ行くか?あいつら盛り上がっちゃってさ。」


「大和、行く?」


正直、疲れた。

いろいろありすぎて。


「………大丈夫か?」


「ん。」


頭に右手をのせ、心配そうに顔を覗き込んだ。


「うち、帰るか?」


「…………大和、行ってきて。」


「………………良し。決めた。」


にっこり笑って頷いた。

大和?

私のグラスにまだ3分の2は残っていた酎ハイを一気に飲み干すと、すっくと立ち上がった。



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