相思相愛記念日
「おい、酔っぱらいども!」


顔中落書きだらけの酔っぱらい達が一斉に大和をみた。


「こわっ。」


紗季が自分で描いたくせに肩をすくめてびびった。


「俺と空良は相思相愛につき、これで帰る!」


みんなポカーンとして…。


「空良、行くぞ?」


「え?何?」


紗季がバッグとポンチョを私に押し付けウィンクした。


「熱い夜を!」


うまく持てなかった荷物を大和が拾いあげ、私の腕をひく。


「じゃあな!」


大和が叫び、酔っぱらい達の叫びが響き始める。


「ひゅ〜ひゅ〜!」


「大和君のエッチ〜!」


背中に浴びせられる、とても女の口からは言えない恥ずかしい台詞を完全無視し、私達は店を出た。



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