相思相愛記念日
「あいつら言いたい放題だな。」


冬の星が小さく光る夜空の下を並んで歩く。


「大丈夫か?疲れただろ?」


「良いの?」


「あ?良いの?」


帰ってきて。


「あぁ、良いの。今日は空良と俺の相思相愛記念日だからな。ごめんな。なんかバタバタして。」


相思相愛記念日。


「大和。」


「ん?」


手を繋ぎ、ほんの一歩前を歩く大和は、空を仰ぎながら気持よさそうに深呼吸をひとつ。


「空良が好きだー!!」


握った手に凄い力が入る。


「絶対はなさねぇー!!」


痛いくらい握られた手から伝わる大和の想い。


「さっきのだけで一生いけるから、俺。」


だから、言葉にしなくてもかまわない。


「空良の言いたい分、俺が全部言ってやる。」


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