相思相愛記念日
「トイレ行ってくるね。おかわり頼んどいて。」


バッグを手に立ち上がった。


「行ってらっしゃーい。」


紗季が手をヒラヒラ振りながら見送ってくれる。

私も手を振り返し、お化粧室の文字を目指した。

年末の居酒屋は、学生とサラリーマンでいっぱい。

しかも、とても社会人になるとは思えない輩が勢揃い。

もちろん私達の集団もしかり。

テーブルの間をぬってやっとたどり着いた個室。

ドアを閉めバッグを胸に抱えたままドアに寄りかかる。


「はぁ……………」


思わずしゃがみ込みたくなるのをぐっと堪えた。











だって…………ここ、トイレだからね。



変な理性が働いて、自分で自分に苦笑する。

で、これからどうする?




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