コーヒーとふくれっつら
「残業もいっぱいあってさ。美里と約束してもキャンセルばっかで。」


「………良いよ。私」


「仕事、頑張れば頑張るほど成果もでる。先輩にも頼りにされてさ。それが励みになって、また頑張れるんだ。」


「………うん。そうだね。」


少しでも笑おうと口元を緩める。


「でもさ、たまには残業で遅くなってさ、もうやめてぇなぁってなるわけ。そんなときに限って美里からメールがくるんだよな。」


携帯が震える瞬間が 大好きなんだ。


「飯くえとか、煙草やめろとかそんなんばっかでさ。またかよって感じ?」


「……ごめん。」


マグカップのなかのコーヒーが少しだけ揺れた。


「でさ、そのたんびに思うんだ。あぁ、何食うかな。煙草、本数減らさなきゃなってな。」



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