コーヒーとふくれっつら
冷蔵庫と美里の間にするりと入り込み、背中から包み込む。


「ほれ、見てみな?受信ボックス……ほい。」


携帯を差し出すと、躊躇いがちに受け取った。


「全部読んで良いから。」


「でも…………」


「読んで?」


「………ん。」


一件ずつゆっくりと遡る。

昨日の昼、美里からきた待ち合わせの確認メールが一番新しいメール。

その前は、美里からの起きてるか確認メール。

その前は、美里からの深夜放送の報告メール。俺が観たかった映画のお知らせ。

その前は、美里からの…………

友達がいないんじゃない。

メールだってちゃんとくる。

でも、受信ボックスは、美里でいっぱい。

自慢のメール達。

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