コーヒーとふくれっつら
「………これ、私……だけ?」


「そ。美里のしか残してねぇの。ストーカーみてぇだろ?晃のなんか速攻削除だぜ。」


次々と遡る日付。

携帯を持つ美里の手が止まる。


「ねぇ、健。」


「ん?なに?」


携帯を持つ手を背中から伸ばした手で包む。


「私、ほんとは……」


「寂しかった?」


俺の手の中で小さく反応した美里の手。


「でも、我慢した?」


「………逢いたくて……健に逢いたくて仕方なくて。」


「でも、やっぱり我慢した。」


「なのに……やっと逢えたのに……」


「あのメモ、妬きもち……やいた?」


「妬いた。凄く凄く妬いた。だから……………ごめん……なさい。」



精一杯繋ぐ言葉が胸に届く。


< 18 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop